Nike、Walmart、McDonald’sの大手小売企業が最近AIの最先端企業を買収していると、ビジネスリサーチまたは企業データベースを提供するCB Insightsが報告しました。 買収により世界規模で事業を経営しているこの大手3社は、「ハイパーローカル」(現地の)需要にAI技術による高い処理能力で商品在庫管理を行なう事を近い将来に実現します。3社は今までの安定した品質の商品とサービスに加え、パーソナライズされたユーザーエクスペリエンスの提供を可能にすると考えられています。
個人へのセグメントのアプローチ
コンシューマー企業としてAmazon、Netflixが先駆けとなってAI技術を採用していました。一人ひとりのユーザーの行動プロフィールを作成し、個人ユーザー向けにレコメンデーション技術を組み込んだことで 、オンラインのユーザーエクスペリエンスをよりパーソナライズ化し、エンゲージメントと利益を伸ばしています。
パーソナライズ化とカスタマージャーニーが重要である小売業では、消費者の一般的な行動データの把握だけでは不十分だと考えられています。従って、 消費者セグメンテーションによって消費者にスーパーパーソナライズされた体験を提供するため、小売ブランドはAIやコンピュータービションといった最先端技術を活用して個人レベルのセグメンテーションまで移行しています。
個人の消費者の購入に至る要因、気候、時間帯、過去の検索結果、そして購入した商品などといったあらゆるデータポイントを収集し、消費者の要求と関連性のある商品のレコメンデーションまたはカスタマイズされたサービスを提供することが可能です。小売、ファーストフード、エンターテイメントサービス等あらゆる消費者に対応する企業がAIの活用によって大規模なサービスのパーソナライズを実現しています。
インド発小売自動化AIの企業
インド南部チェンナイを拠点とするVue.ai は、神経科学者とプロダクトデザイナーの夫婦が立ち上げたAI技術を採用する小売オートメーションプラットフォームです。アメリカの大手デパートMacy’sをはじめ、 南米ECサイトのMercadoLibreまたはインドのEC企業TataCliq(Tataグループ企業)と言った大手企業向け画像認識またはデータサイエンスを利用してエンド・ツー・エンド小売自動化ソリューションを提供しています。同社は現在までに合計で2750万米ドルの資金をSequoia Capital India、Falcon Edge Capital、そして日本のGlobal Brainから調達しています。
Vue.aiはマーチャンダイジングの自動化に向けカタログ管理と商品タギングのプロダクトを開発しています。また、消費者にパーソナライズされたショッピングサービスを提供するための画像認識機能を備えた商品検索エンジン、個人のユーザーに向けたスタイルのレコメンデーションとメールコンテンツも提供しています。
同社が発行した小売業におけるパーソナライズ化という事例研究によると、レコメンデーションエンジンはECサイト上、ユーザーのショッピング体験の開始からデータを収集し、色、模様と言った視覚的なインプット、またブランドやカテゴリーのような非視覚的なインプットの上、気候、ファッションの流行などの外部属性まで織り込まれているといわれています。つまり、AIを活用してユーザーの好みや環境などに基づいた文脈上適切なリアルタイムの相互作用機能を提供しています。
小売企業はパーソナライズ化したサービスをユーザーに提供する事により、特別なショッピング体験のほか、クロスセルまたはアップセルを実現し、ブランドへのエンゲージメントを高め、競争優位性に繋がると述べています。Vue.aiは、時間をかけて集められる大量のユーザーデータ によってより個人へ向けたサービス提供が実現を可能し、それは結果として顧客維持に繋がります。
そして小売のあらゆる作業過程の自動化によって経費の削減や資源の節約に繋がり、小売企業はブランドにまつわる体験に集中することを可能にすると主張しています。
今、小売企業はコンシューマーエクスペリエンスの重要性に注目しています。 個人の消費者の行動、意図、好み、情報を消費する方法などを重視することによって、より有意義で特別な体験を提供することが可能になり、小売ブランドとのエンゲージメント、顧客維持率、そして収益性を高めることに繋がります。
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