世界の初ノンアルコール蒸留酒、イギリスの Seedlip 飲料が今週インドで販売を開始します。特定の酒販店チェーン 、スーパーまたはAmazonに並ぶ予定のこの新商品Seedlipは 、あらゆるハーブがブレンドされた植物より複雑な味を持ち、甘くない大人向けの飲料なので前例のない飲み物であると考えられています。値段は一般的なノンアルコール飲料の価格と比較すると高めに設定されています(一瓶2,800Rs=4,500Yen)。「価格志向型のインド市場はこの画期的なノンアルコール飲料に対して好況マーケットなのか」インドにおけるノンアルコール飲料の展望を描きながら、進化していく消費者の好みを分析しました。
熱望する、目の利く消費者
世界の有名な飲料を輸入する販売会社 Brindco はSeedlipブランドをインドに導入します。同会社のブランド・マーケッティング担当者Karan Dhingra氏は 1200億米ドル、7.5%の成長率であるノンアルコール飲料市場の潜在力を高く評価しています。
マインドフルドリンキングの時代へ
世界中で大流行であるウェルネス、または健康志向のトレンドによって消費者は無糖の人工甘味料を含まない、無添加アレルゲンフリーのカロリーゼロ飲食物を求めています。いわゆる 健康を強く意識した「マインドフルドリンキング」はインドの都心に住む18才〜30才代の若者、フィットネス・ヨガ愛好家をはじめ糖尿病患者や妊婦、または平日の夜に酒を控える消費者といった層に如実に反映しています。
インド のバー・レストランでは禁酒者向けのドリンクメニューは人工的な強い甘味のノンアルコールカクテルか炭酸飲料の選択肢しかありません。高品質のお酒と同じようなコクのある繊細な味わいのノンアルコール飲料は、Seedlipが初だといわれています。Seedlipのような洗練されたノンアルコール飲料は社会包摂を促し、禁酒者もお酒の場を楽しめることを可能にします。経済的に豊かなノンアルコール飲料の消費者層は、価値観またはお金を払う価値があるブランドには金銭を惜しまない傾向があります。
宗教のための禁酒文化
広く知られているようにインドはもともとアルコールを飲まない文化です。宗教上の理由で(特にヒンドゥー教およびイスラム教)禁酒する人口が多いのです。また普段から酒を楽しんでいるグループでも、結婚式のような宗教的なイベントではアルコールを口にしません。従って盛大な結婚式(特に上流階級層の式)を行う国であるインド は、ノンアルコール飲料の市場に大きな可能性があります。
ノンアルコールから生じる金銭的な利益
インドでは禁酒する州があり、また全国の高速道路500メートル圏内でのアルコール販売は禁止されています。その上、アルコール飲料に課される税金は高額です。その一方で、ノンアルコール飲料は全国のどこでも販売ができ、高い課税を免れることも可能です。ノンアルコールビールの場合、一般的なビールと比較すると生産性が高く、低い税金は金銭的な利益に繋がります。加えて消費者はノンアルコール飲料のために、より高い値段の商品を喜んで購入する傾向が目につきます。
世界中でノンアルコール飲料市場の成長は、より一層加速 しています。もとよりアルコールを控える文化を持つインドにとって、ノンアルコール飲料は若い世代の健康志向へシフトが増加する魅力的なマーケットであると考えられています 。このことから高品質ブランドの導入に関して、インドは途上国または保守的な文化であるという先入観はビジネスチャンスを逃します 。プレミアムブランドを熱望している市場があり、消費者の間で共感を呼ぶブランド、または価値を生むブランドに消費者は高い料金を支払います。
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